羽田空港国際線ターミナルからバンクーバー空港に飛び、カナダ大陸横断鉄道「VIA鉄道」に乗車し、一路、アルバータ州ジャスパーへ。約20時間の鉄道旅は、いったいどんなものなのか。列車内ではどんな風に過ごしているのか。列車内からはどんなものが見えるのか。コンパクトな室内にどうやってベッドが現れるのか。などなど、カナダの「VIA鉄道」の楽しさ、魅力をお伝えします!

バンクーバー空港から「Pacific Central Station(パシフィック・セントラル駅)」まで

バンクーバー空港から「VIA鉄道」が出発する「Pacific Central Station(パシフィック・セントラル駅)」までの道のり、そして「Pacific Central Station(パシフィック・セントラル駅)」の様子は、下記の記事でまとめました。是非こちらからご覧ください。

バンクーバー空港からVIA鉄道に乗るPacific Central駅まで地下鉄で

VIA鉄道の出発地「Pacific Central Station(パシフィック・セントラル駅)」

カナダ「VIA鉄道」とは?

そもそも「VIA鉄道」とは、どんな鉄道なのでしょうか? 「VIA鉄道」はカナダの大西洋沿岸から太平洋沿岸までを結ぶ、大陸横断鉄道です。今回はバンクーバー始発の便に乗り、ジャスパーで下車しました。

外から眺める「VIA鉄道」

夜の「VIA鉄道」編

「VIA鉄道」の始発駅である「Pacific Central Station(パシフィック・セントラル駅)」では、出発までの時間、じっくりと、そしてたっぷりと、鈍くシルバーに静かに光る、弾丸のような「VIA鉄道」のボディをじっくりと眺めることができます。

とはいえ、合計で約20両もあり、遠い端の方の車両があてがわれている場合には、そこまで歩いていくだけでも、なかなか大変です。ちょっと急いだ方が良いかもしれません(数100mあると思います)。

 

少し歩いて、歩いて来た方を振り返ってみたところ。まだ2両分くらいしか歩いてませんでした。

 

そして、先はまだまだ長いです。

 

少しかがむと、車輪が目の前です。

 

先へ、先へ(多分、10両分くらいは歩いている)。

ぼくが乗車したのは214号車でした。

 

ボディを横から。

 

「VIA鉄道」のロゴです。

座席のクラスはエコノミークラスとファーストクラスがあるそうです。車中泊を伴う長距離路線のファーストクラスが、寝台車になるそうです。寝台車にはベッドルーム(個室寝台)、バース(上下寝台)があります。ぼくが宿泊したのはベッドルーム(個室寝台)です。

朝の「VIA鉄道」編

時差ボケから明け方に目が覚めたので(3時過ぎくらい)、朝焼けなどの写真を撮影しました。9月下旬、6時を過ぎると少しずつ明るくなってきました。

 

途中、駅だったのかどうか分かりませんが、停車している車両から降りることができる場所もありました。遠くに街の明かりがチラチラと揺れていました。

 

乗務員たちが一服しています。多くの乗客はまだ寝ている、朝の静かな一時です。

 

上りはじめる朝焼けに照らされる「VIA鉄道」です。

カナダといえば、やはりメープルマークですね。

早起きしすぎてしまったので、朝食を朝一で食べるために車内を歩いていたら、外に降りられることに気付いたのでした。なかなか貴重な時間だったと思います。

 

車外に出ると、車輪が目の前。

外から見る展望車両です。こんな風になっていたのですね。

結果的に、早起きは三文の徳でした!

「VIA鉄道」の設備

「VIA鉄道」の車内

「VIA鉄道」の寝台には、個室(個室寝台)と通常の座席(上下寝台)があります。個室にはベッドがあるのはもちろんなのですが、ベッドは壁から出てきます。普通にベッドで寝られるようになっています。

個室と座席の大きな違いは、扉の有無、専用トイレの有無、洗面台の有無といったところでしょうか。個室は3人用までがあり、グループなら座席でわいわいするのも良いかもしれません(夜はみんな早くに就寝していました)。

パブリックスペースにある飲料水です。

座席から個室に向かう通路です。クランクのようになっており、この通路の向こう側は個室になっています。右側から回り込むように、個室の入口の方に入っていきます。多くの車両が、こうした造りになっています。

各個室の入口は、左側に扉が並んでいます。通路は一人分くらいの幅で、人がすれ違うのはなかなか大変です。その分、個室側にスペースが回っているのですね。

「VIA鉄道」の個室

個室(個室寝台)の入口です。内から鍵はかけられますが、外から鍵をかけることはできません。貴重品は注意してください。ぼくは214号車のEという個室でした。

個室(個室寝台)の部屋の中にはイスが2脚置かれています。いずれも床に固定されておらず、自由に移動することができます。車両の進行方向に向きを変えるのも良し、窓を向いて座るも良し、です。奥は窓です。2人で1室です。

 

 

イスしかなく、しかもベッドになりそうではなく、どうやってここで寝るのかと思ったのですが、ちゃんとベッドがセッティングされますのでご安心を。

洗面台です。お湯も出るようです。水を使わない時は、流し部分にはテーブルが置かれるようになっています。

水道水とは別に、飲料水の蛇口もあります。プラスチックのカップが4つ準備されていました。車内には自動販売機はないと思います。もし部屋に水以外の飲み物を確保したい場合は、事前に購入してから乗り込むのが良いでしょう。

 

個室はトイレ付きです(シャワーはありません)。

部屋が狭めな分、収納には工夫が凝らされているようで、あちこちにハンガーなどを引っかけることができるフックがありました。

ベッドの脇にもフック。とにかく、フックは部屋を見回すと、あちこちにこれでもかとあります。

入口左手には、ハンガーが2つ掛けられていました。

個室では電源コンセントを使うこともできます。ひと晩がかりの移動なので、色々と充電できるのはありがたかったです。ちなみに、電源コンセントの使用時には、真ん中部分を押さないと、電気が流れてきません。

洗面台から下を見上げると、シャワーキットがあります。2人部屋なので2名分です。「VIA鉄道」のオリジナルの袋に入っています。

中にはバスタオルが2枚、フェイスタオルが1枚、石けん、シャンプーが入っています。ということは、シャワーもどこかで浴びられるという訳です。

そのシャワーですが、共同シャワーが車両の端に設置してあります。

 

扉を開けると着替えるスペースとシャワールームがあります。シャワーはボタン式で、押してから戻り切るまで水(またはお湯)が出てくる仕組みです。この仕組みなら、蛇口の締め忘れの心配もありません。

乗車してすぐに、ワインのサービスがありました。

「VIA鉄道」のベッドはこうしてセッティングされる!

さて、気になる「VIA鉄道」の個室のベッドですが、こんな風にセッティングされるというのを写真に収めました。

各車両にはサービス担当者がおり、214号車はクリステンさんでした。小柄な女性でしたが、テンポよくイスを折畳み、バチンバチンと大きなベッドをセッティングしていきました。

 

手前の壁と思ったところは、実は引き出すとベッドだったのですね。

 

専用の器具で引き出します。だから、乗客が勝手にベッドを出したり閉じたりすることはできません。

 

ベッドを引き出すと、すぐに寝られるようになっています。

簡単なベッドメイキングをして完了です。

 

凄い早業!

ちなみに上部(天井あたり)からもベッドが引き出され、二段ベッド状態にもなります。

頭上にはライトや小物入れなどが配置され、機能的になっています。ここで一晩を過ごした訳ですが、寝心地は悪くなかったですよ。たびたび時差ボケで目が覚めてしまったのですが。

「VIA鉄道」の展望車両

「VIA鉄道」には展望車両が用意されています。これは最後尾(だと思っていた)車両で、夜に訪れた時の写真です。

階段を上がると、闇に吸い込まれそうですが、静かに走る「VIA鉄道」から眺める夜景は格別でした。

明かりらしい明かりはなく、自分も夜の一部になったような感覚になります。

走っている車両が、このまま線路を離れスーッと空に舞い上がっていくような、そんな感覚。大人の銀河鉄道だと思いました。

窓の外も街を離れると真っ暗になります。しかし、暗闇に目が慣れてくると山の影や木の形が見えてくるようになります。バンクーバーからジャスパーに向かう便は、どちらかというと左側に川など景色の開けた場所がありますので、左側に陣取るのがオススメです。

 

みんなが息をひそめ、外をじっと眺めていました。

こちらは別の展望車両です。

夜も遅かったせいか、銀河鉄道の乗客はほとんどおりませんでした。

 

朝の展望車両です。

朝もやがかかってます。草を食べる馬が見えます。

 

変わり続ける景色は、ずっと展望車両に座っていても飽きることがありません。

展望車両には、2階席のようになっているパノラマカーがあります。真っ暗闇の写真は実はパノラマカーの2階席部分なのですが、暗いと分かりにくいですね。しか、明るいと?

このような感じで、前後左右の正面の景色を見ることができます。特に正面がオススメです。実は、横を飛んでいく景色よりも、この正面の景色というのが大変素晴らしかったのです。2階席になっているというのは、なるほどそういう訳かと思いました。

 

2階席なので、ずっと続く車両の屋根が見えています。カーブに合わせて、左右にうねうねと動いていきます。

パノラマカーが最後尾だと思っていたのですが、明るいところで後ろを振り返ると、さらに後ろにパークカーと呼ばれる同種の車両がありました。さらに数両を歩いていく必要があるのですが、せっかくなので行ってみました(列車の中なのに、あっちへこっちへとけっこう歩きます)。

やっぱり2階席からの眺めは素晴らしい!

後ろを振り返れば、確かにここが最後尾でした。全部で20両くらいあるので、先頭から最後尾まで歩くと、けっこうな距離があると思います。

山の上に氷河も見えました。

2階席の最前列は人気席です。

みんな写真を撮りに集まります。やっぱり、前が見えるというのが面白いのですよね。横ではなく。進行方向のその先が見えているというのが、ポイントなのでしょう、きっと。

 

日本でもこういう車両に乗れるでしょうか?

最後尾の最後尾は、1階がこんな感じになっています。

 

雨が降り出すのもまた良し。

「VIA鉄道」の食事

「VIA鉄道」の朝食

「VIA鉄道」の朝食は6時30分よりスタートします(終了が9時だったかな?)。特に予約はありませんので、食堂車に自由に行って食べます(前後に2両あり指定されます)。

ただし、混雑していると待機です。日本からであれば時差ボケで明け方に目が覚めて、6時30分のスタートに丁度良いのではないでしょうか!?

テーブル一つに4人で座りますが、グループが4人に満たない場合は相席になります。英語が話せれば、知らない人と旅談義に花が咲きます。

コーヒーはたっぷり。ミルクもたっぷり。

メニューから食べたいものを選びます。ちなみにカナダでは英語とフランス語が公用語ですので、必ず併記されます。ぼくはシェフのオムレツ(CHEF’S OMELETTE)にしました。

目覚めの一杯。グレープフルーツジュース。

先にトーストがやってきました。

 

テーブルにあるジャムやハチミツで頂きます。

 

ほどなくして、シェフのオムレツも登場です。

 

シェフのオムレツはキノコが入っていて美味しい! 付け合わせは細切りのポテトでした。塩コショウで頂きました。

 

車窓から見える景色もご馳走です。

「VIA鉄道」の昼食

朝食の時間は自由なのですが、昼食の時間はあらかじめ決められています。乗車時に時間を選ぶのですが、11時、12時、13時くらいの間隔になっています。その時に既に12時は満席だったので、11時にしていました。

いの一番に食堂車に飛んでいきました。焦ることはなかったんですけどね。

朝と同様、テーブルもキレイにセッティングされていました。一組が終わると、テーブルクロスは交換されます。

 

世界の車窓からとか、テレビに出てきそうな光景ではないですか!

ランチもいくつかあるメニューから選びます。

スープ。スープにクラッカーを入れると、しっとりして美味しいんですね。

肉が続いていたので魚介類にしたのですが「SHRIMP AND SCALLOPS」というのは、海老と帆立のことでした。スキャロプス。帆立。勉強になります。

シンプルなんですけど、とっても美味しかったです。甘いベリーのソースが、海老と帆立にとても合いました。

デザートはチョコブラウニーとアイスクリームから選べたのですが、冷たくさっぱりとアイスクリームにしてみました。美味しかったです。

「VIA鉄道」車窓からの景色

「VIA鉄道」の車窓から。発車のベルのようなものはなく、ガタンと重い音がして、静かに走り出しました。部屋の明かりを消して撮影しました。

明け方。ようやく空が白み始めたのは6時過ぎでした。

「VIA鉄道」は、川沿いを走っていることが多いです。

岩肌と青い川。氷河から解け出した水は青く見えます。

いかに列車が長いかが分かるでしょうか。

 

自室からの景色。

途中、熊がいるというアナウンスもあったのですが、残念ながら分かりませんでした。列車が通ったので、逃げてしまったのかな?

ピラミッドフォールという巨大な滝。列車は速度を落して通過しました。

徐々にカナディアンロッキーが近づいてきます。

トンネル。

岩山。まさにロッキー。

目的地であるジャスパーまでは、もうすぐです。

山を上がっていくに従い、黄色く紅葉した木々も増えていきました。

予定より30分も早くジャスパー駅に到着!

目的地であるジャスパー駅には、予定より30分も早く着きました。途中、貨物列車とのすれ違いが何度となくあるので(基本は単線なので影響を受けやすい)、時間通りに到着するのは珍しいことだそうです。

さらに、途中でブリティッシュコロンビア州からアルバータ州に入ると、タイムゾーンが変わり時間が1時間進みます。だから、16時到着だからあと2時間あると安心していると‥‥一気に1時間になってしまうのでご注意を。特に展望車両は遠いところにあったりするので、部屋に戻る時間も考慮に入れておきましょう。

約20時間の「VIA鉄道」の旅を終えて‥‥

機械の身体を手に入れに行く‥‥訳ではなく、生身の身体をゆっくりと癒すための旅、それがカナダ大陸横断鉄道「VIA鉄道」なのかと思いました。夜の闇の中を静かに走る様子は、まさに「大人の銀河鉄道」。急がず、ゆっくり流れる、ほどよく長い時間を楽しむ旅ですので、やはり乗客は年輩の人が多かったです。それも夫婦が。

展望車両に座り、景色を眺めたり、本を読んだり、何するでもなく静かに佇んでいたり。こういう旅を愛おしく思えるようになるのは、それなりの時間を刻んでからでしょうか。

途中、多くの場所で携帯電話は繋がりません。世間を忘れ、しがらみを忘れ、目を閉じ、車輪が刻む音に耳を傾け、お休みください。「VIA鉄道」に興味が涌いた方は「VIA鉄道の基礎知識」からどうぞ。カナダ旅のうちの20時間を、鉄道旅にあててみてはいかがでしょうか?

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