別府といえば温泉地。別府といえば地獄巡り。とにかく別府は地熱の力が強く、温泉を中心とした施設やアトラクションが豊富に存在する。そんな別府の名物といえば、これまた地熱の力をおおいに利用した豪快な料理「地獄蒸し」だ。
蒸気の出ている窯に入れるだけだが、奥深い
この地獄蒸し料理は、江戸時代より伝わる伝統的な調理方法で、高温で吹き出る温泉の蒸気を利用して、素材を蒸し上げるもの。いわゆる「低温スチーム料理」となるのだろうか。
そもそも病を治すための湯治文化で賑わった別府では、このヘルシーな地獄蒸し料理が大変に親しまれていたのだそう。そのため、多くの宿には宿泊者向けの地獄蒸し調理場が付いているのもこの地の特徴だろう。
この地獄蒸し調理を手っ取り早く体験するとしたら、別府温泉「鉄輪(かんなわ)」のバスセンター近くにある「地獄蒸し工房 鉄輪」がおすすめだ。こちらは観光客向けに自分で地獄蒸し料理が体験できるアトラクションを兼ねた食事の施設となっており、その人気は朝から行列ができる日もあるほど。食材は近隣で調達しても良いし、工房内で購入しても良い。ただし売り切れには注意である。
そしてこちらが地獄蒸し調理の様子。蒸気は大変に高温だが、耐熱グローブをしていれば大丈夫。なによりこのもうもうと上がる湯気の中で食材が蒸し上がるのを待つのは、想像以上にわくわくして、とても楽しい。
地獄蒸しでオススメの食材は、野菜全般、玉子、豚肉、魚介類など。基本的には、普段蒸し料理で目にするものならなんでも問題がないだろう。時間指定さえ守れば、ばっちりの半熟玉子も生み出すことができる。もちろん味はついていないので、塩や醤油などをつけて食べるのだが、とにかく素材の味が強く感じられてうまい。その理由はやはり蒸気にあって、通常の蒸し料理よりも低温での調理になるため、もとの味が強く感じられるのだそう。注意点としては、さっぱりしているので食べ過ぎてしまう…ことだろうか。
ちなみに同施設には足湯やこの地ならではの足蒸し風呂もあり、順番を待つ間も退屈はしないだろう。温泉につかり、温泉で調理した料理を食べ、温泉旅館に泊まる。鉄輪温泉に旅した際には、ぜひこの「温泉漬け生活」を楽しんでみてほしい。
Linkトラベラーズでは【偏愛郷土料理】と題して、国内外各地域の個性的な食べ物を大プッシュします。地方はうまい!楽しい!
その他の【偏愛郷土料理】の一部をご紹介
Author Profile

- Twitter:@norio_airoplane
- 写真が好き。旅が好き。旅行記やネットニュースや雑学、ガジェット等を紹介するブログ「エアロプレイン」管理人。旅行はとにかく下調べをして「旅のしおり」を作って持参する派。Linkトラベラーズ創設より共同編集長を担当、2016年より単独の編集長に就任。
http://airoplane.net/