片言でも現地の言葉ができると、旅は何倍も楽しくなるもの。
もちろん英語でも道を聞いたり買い物をしたりすることはできるが、日本を含めた多くの国で、英語を自由に扱える人は限られている。

旅先で出会う普通のおばちゃんやおじいちゃん、そして子ども達。市場や街中のバス停、長距離電車のボックスシートなんかで出会う人達とコミュニケーションしたい。
そう思ったらまずは「とっかかり」として、噛じる程度でもいいのでその国の言葉を勉強してみよう。

 

“超短期”語学留学のすすめ

そこでオススメなのが、1~2週間程度の語学スクール通い。
探してみるとそのくらいの期間でも受講できる語学学校は結構ある。

私が今回キューバの首都ハバナで受講した学校「シュプラッハカフェ」もそのひとつ。ドイツに本部があり、全世界12カ国29都市で7言語(英語・フランス語・スペイン語・ドイツ語・イタリア語・中国語・アラビア語)の語学コースを展開している。1週間から受講できるため、短期休暇やバケーション兼ねて学ぶ人も多い。

近場なら最近注目度大なフィリピン英語留学や台湾中国語留学なんてのもいいだろう。

●フィリピン留学情報「1週間から留学できる」
●ちゃいすたドットコム「1週館から超短期留学ができる学校大特集」

「1週間じゃ意味がない、全く使い物にならないのでは?」

と思うかもしれない。
もちろん目指すレベルによってはそのとおりだ。

 

ただ考えてみてほしい。
挨拶や簡単な自己紹介、道を聞いたりオススメの料理を聞いたり、家族構成を聞いたり。その程度の会話であれば1~2週間でも十分。

さらに「“超短期”語学留学する」と思えば、出国前1ヶ月間くらい、参考書やCD教材を使って真面目に自学・予習していくモチベーション&気合も入るものじゃないだろうか。

1週間の休みを「観光」だけで終えるか、それとも+αで語学学校に通い、旅の思い出とともに「ちょっと現地の言葉が話せるようになった自信」も持ち帰るか。検討してみる価値はあるだろう。

1週間の語学留学の費用はいくらくらい?

ちなみにシュプラッハカフェ・ハバナ校の授業料は以下のとおり(2015年5月時点)。

授業のみ ゲストハウス1人部屋 アパート1人部屋
1週間
(20レッスン)
154ユーロ
(20,953円)
456ユーロ
(62,043円)
509ユーロ
(69,254円)
1週間
(30レッスン)
230ユーロ
(31,293円)
532ユーロ
(72,383円)
585ユーロ
(79,595円)

§円建て金額は2015年5月22日の三菱東京UFJ銀行のTTS相場「1ユーロ=136.06円」で計算

20レッスンとは1日3時間×週5日(1レッスンは45分間)、30レッスンとは1日4.5時間×週5日だ。

キューバだからというのもあるが、毎日午前中のレッスンを1週間受講して2万円というのはお手頃価格だろう。最近ブームのフィリピン英語留学でも、一日4~5時間の個人レッスンを受け、1人部屋宿泊費込みで週4万円前後が相場らしい。

どのくらい勉強できる?到達度は?

丸1日授業があるコース、半日だけのコースなどいろいろ。
フィリピン英語留学だと、1日2時間のライトなカリキュラムから8時間みっちり学習するものまで、ニーズに合わせコースも様々だ。

ハバナ校では毎日3時間を2週間(実質10日間)受講した。トータルの学習時間は30時間になる。

短いと思うかもしれないが、実際に参加してみると非常に密度濃く、語学力という点でも急速成長する自分を感じられるはずだ。

完全に初心者の場合、自己紹介・基本の挨拶から始まって、「私は◎◎がしたい」という自分の意志を伝える表現、「いつ◎◎ですか?」「どこで◎◎できますか?」などの質問パターン、さらには「いつも」「時々」「明日の朝に」など時間や頻度など、実際の会話でよく使う表現を中心に勉強することになる。

短期コースの多くは、旅行や出張等とりあえずの初級会話ができることを目的にカリキュラムが組まれているので、無駄なく実践的な表現を学べる。会話中心で、ばしばし先生から質問が飛び、必死にそれに応え続けるというハードなレッスンゆえ、かなり集中力が要求される。どっぷり語学漬けの時間を毎日重ねていけば、たった1~2週間でも耳は慣れ、簡単な受け答えはできるようになる。

観光も勉強も無理なく一週間続けられる「半日レッスン」

特に言葉を学ぶ必要性はないという人でも、海外旅行中のひとつの体験プログラムとして参加してみるのはありだ。

若い時分ならともかく、1週間以上の海外旅行で朝から晩まで観光すると、さすがに体力的にきつい。一方、朝から晩まで集中力張り詰めて勉強し続けるのも頭を疲弊させてしまい勉強効率ダウンにつながる。

そんな点でも、半日授業&半日観光は、どちらも無理なく続けるベストな組み合わせだろう。

ハバナ校での授業は毎朝9時半に始まり、休憩30分をはさみ13時に終了する(週20レッスンの場合)。休憩中はカフェテリアで他の国から来ている人達と旅行の話など。自分より長期滞在している人にオススメのカフェバーを教えてもらったり、他の都市の見所を教えてもらったりと情報収集にもなる。

授業が終わったら近くで軽くランチをとり、そこから観光スタートだ。
日没まで4~5時間あるので市内&郊外十分にまわれる。

学校では希望者を募ってのミニツアーやダンスなどの体験プログラムも毎週実施されていた。

私が参加したのは野球観戦ツアー。
日本ともまた異なる観戦風景はもちろんのこと、「どこが面白いのかがわからない」と初めて見る野球に戸惑うヨーロッパ人達の様子も面白く、貴重な体験となった。

短期でとりあえず“旅行に最低限必要な語学力”を身につけるために

  • 自分にあった初心者向け参考書を選ぶ
  • 街中ですぐ実践できる表現・使う頻度が多い構文に絞って覚える
  • 単語暗記に時間をかけない/スマホ辞書アプリがあれば問題ない

腰を落ち着けてじっくり学ぶのと違い、とりあえず“旅行に最低限必要な語学力”を短期で身につけたいなら、選択と集中、そして「正しい文法より伝わることが重要」という割り切りが必要だ。

自分にあった初心者向け参考書を選ぶ

いくら初心者コースを受講するからといっても、全く勉強せずに現地入りしたのでは効率的ではない。また語学学校で配布されるテキストは日本語以外の言葉で文法解説もされており、理解が大変。基礎的な文法は、日本語の入門書を使って自分のペースで勉強しておいたほうがはるかに効率的だ。

その時に大事なのは、どの参考書を選ぶか。可能なら、なるべく数多く揃っている大手書店に行き、実際にページをめくって探そう。「この先数年かけて言語をマスターしよう」と考えている人のための最初の1冊と、「とりあえずちょっと話せればOK」という人が買う唯一の1冊では必要な内容も違うはずだ。

CD付きの本を購入し、渡航まで繰り返し聞き続けるのもいいだろう。最初は全く聞き取れなかったフレーズも、毎日通勤途中にリピートしていれば丸暗記できるもの。現地入りした後、それが強い支えになる。サブ教材として「旅の指さし会話帳」シリーズも持っていくと便利。現地の人にも面白がってもらえる本なので、ちょっとしたコミュニケーションツールにもなる。スマホアプリも発売されている。

 

街中ですぐ実践できる表現、使う頻度が多い構文に絞って覚える

日本国内で勉強するのと、短期であってもその言葉が使われている現地で学ぶのの大きな違いは、学校を一歩出た瞬間から、学んだ表現を即・実践できるフィールドが広がっていることだ。

とりわけ短期で留学する場合には、そのメリットを最大に活かし、「即・実践」できる表現に絞って学ぶようにしよう。読解力・作文力を高めるための高度な文法習得なんて、帰国後にやればいいこと。それよりも、バス停で、スーパーで、あるいは宿泊先の管理人やスタッフの人との会話ですぐ使える表現を徹底マスターしよう。「学ぶ→すぐ使う」このワンセットが非常に重要だ。

例えば「どのように?」の表現を教わった日の午後は、「どのように?」を使った質問が使える場所を探して突撃だ。

青果市場で「この野菜はどうやって食べるんですか?」
バス停で「どうやって旧市街に行けばいいですか?」

言いたいのに言葉がでてこなかった・・・なんてことがあったら、忘れる前にそれをメモし、あとで電子辞書や参考書を使って調べる。翌日学校で先生に確認し、さらに覚えておくと便利な他の応用表現も教えてもらう。「学習→実践」「実践→学習」この流れを意識するだけで超・短期留学の成果は大きく変わるはずだ。

単語暗記に時間をかけない/スマホ辞書アプリがあれば問題ない

単語も、ただ数を増やすのではなく、頻繁に使う常用単語に絞って暗記。それ以外は今の時代、スマホ辞書アプリを立ち上げれば10秒で調べられるのだから頑張って暗記する必要もない。よく使う単語なら、何度か辞書を引いているうちに自然と覚えるはずだ。

無料で利用できるオンライン辞書もあるが、個人的には、出版社が発売している辞書アプリを購入&ダウンロードすることをオススメする。分厚い辞書が丸ごと一冊入っているので、該当する単語を調べるだけでなく、用例検索も非常に便利。常用表現や慣用句などもあるので、スキマ時間を使った勉強ツールとしても優れている。

  • 英語・・・オーレックス英和・和英辞典(iOS版Android版
  • スペイン語・・・西和中・ポケプロ和西辞典(iOS版
  • 中国語・・・小学館中日・日中辞典(iOS版Android版
  • フランス語・・・クラウン仏和辞典(iOS版Android版
  • ドイツ語・・・クラウン独和辞典(iOS版Android版
  • 韓国語・・・韓日・日韓辞典(iOS版

目指せ!「片言だけなら十数ヶ国語話せる」旅人

ひとりで旅行していると、「ワタシ ニホンゴ チョット ハナシマス」なんてにっこり話しかけてくる他の外国人バックパッカーに出会うことがある。自己紹介や挨拶、ごく基本的なフレーズだけなのだが、それでも日本&日本人に興味を持ってくれているという証なので、やはりうれしいもの。心理的な距離も一気に縮まる。

そんな旅人になるのは実はそれほど難しくないかもしれない。
今回2週間だけスペイン語の学校に入り、片言話せるようになったことでそんな自信もついた。

ある言語を超短期だけ学ぶ経験をすると、「語学の一夜漬け」のコツがちょっとわかる。最小限どんなフレーズや単語を知っておけば最低限のコミュニケーションに必要な会話が成立するか、身を持って体感できるからだ。次にまた別の言語を学ぶ時には、さらに効率的なカリキュラムを自分で組むことができるだろう。

世の中には何カ国語もぺらぺらな超人がいる。
憧れはするが、凡人の自分には今更無理という自覚もある。ただ「片言なら5ヶ国語話せます」くらいは目指せるかもしれない。そしてそれが実現したら、きっと海外旅行は何倍も楽しくなるはずだ。

旅行ついでに「“超短期”語学留学」という選択肢、次の休暇計画を立てる際ちょっと頭の片隅に置いてみてはいかがだろうか。

スペイン語学校「シュプラッハカフェ」│キューバ旅行情報館
2週間のスペイン語学校生活が終わった│キューバ旅行情報館

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和田 亜希子
和田 亜希子Twitter:@wada_akiko
銀行・検索エンジン等勤務を経て2001年に独立、主に運営サイトの広告収入で生計をたてながら国内外を旅するミニサイト作り職人。「ひとり旅」「ゲストハウスか安宿泊まり」「事前にマイテーマ決めてぐるっと一周」という旅スタイルが多い。運営サイトは「東京ビアガーデン情報館」「台湾温泉ガイド」「キューバ旅行情報館」など。2013年にバイク免許をとり、目標は日本の海岸線一周ツーリング。
BLOG:WADA-blog

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